機能訓練で実施する内容の具体例

注目の「機能訓練」を支える仕事

個人に合わせたプログラム

機能訓練の具体的な内容は、個人の身体的な状況や目標を考慮して組み立てられます。お迎えからバイタルチェック、準備運動、機能訓練、休憩、お送りという基本的な流れはあるものの、施設によって個人メニューを実施したり全体で行うメニューがあったりという違いがあります。設置されている機器の状況によっても可能なものとそうでないものがありますが、一般的に行われることの多いメニューを紹介します。

個人に合わせたプログラム

大がかりな設備を必要としないもの

どんな施設でも簡単に使用できる機能訓練の道具としてタオルがあります。例えば椅子に座ってタオルを踏み、その両端を腕でひっぱるという動作では、腕と足の筋力を鍛えることができます。これは自宅などでも簡単に行うことができるので、日常的に継続できるメニューとして有効です。また、セラバンドと呼ばれるゴムの紐を使って日常生活に必要な筋力を鍛えることができます。上述のタオルを使った機能訓練をセラバンドに置き換えて実施するのも効果的です。
認知症の予防や症状の悪化を抑えるには、指先を動かすことが有効だとされていますので、セラプラストと呼ばれるゴム製の粘土も利用されます。普通の粘土のように手が汚れることもなく、乾燥することもないので使いやすいようです。具体的な使い方としては、器や動植物などさまざまなものを作成していきます。よく考え、指先を動かすことが脳の活性化につながります。

専門的な設備を使ったもの

ウォーキングマシーンや平行棒が設置してあれば、正しい姿勢での歩行訓練を行うことができます。また、エアロバイクを使って足の筋肉を鍛えることもできます。その他、高気圧酸素カプセルで細胞を活性化し、集中力を高めたり肌の衰えを抑えたりするところもあるようです。
上記のような設備を使うことでより専門的な機能訓練を行うことができますが、自宅などで実施するよりも効果が出やすいのは理学療法士などプロの知識や技術があるからこそです。特別な設備を使用しないストレッチなどでも、専門家の指導を受けながら実施することはより効果を実感しやすいと共に、けがの心配もなく安全に行うことができるというメリットがあります。柔道整復師による施術では、腰痛や麻痺などの軽減ができたり、生活の質を上げるためのアドバイスを受けたりできるそうです。
機能訓練を行っているデイサービスでも、どんな設備があるのか、またどんなスタッフがいるのかについては施設によって異なるので、利用者は自分の希望に合った機能訓練を行うことができるかどうか事前に確認しておく必要があります。

まずはその目的を知っておこう

何のために行うのか

少子高齢化に伴うさまざまな課題が取りざたされる中、高齢者の心身の健康を維持改善するための介護予防や自立した生活を送るための日常生活機能の維持に役立つとして、機能訓練は注目を集めています。単純に動ける・動けないということだけではなく、どのように生きていきたいかというような目標を持って取り組まれています。

この記事の続きを読む
機能訓練について知ろう 機能訓練について知ろう