利用定員によって異なるデイサービスの人員基準

注目の「機能訓練」を支える仕事

デイサービスの人員基準

利用定員ごとに異なる

デイサービスでは、介護士のほかにも複数のスタッフが働いています。厚生労働省の定めによると、デイサービスの人員基準は管理者・生活相談員・看護師・介護士・機能訓練指導員の配置が必要です。ただし、利用定員が10名以上か10名以下かで必要人員の基準が異なります。
利用定員が10名以下の場合の人員基準は、常勤の管理者が1名、生活相談員が1名以上、看護師または介護士が1名以上、機能訓練指導員が1名以上とされています。生活相談員は常勤でなくてもよいそうですが、もしも不在の場合は人員基準違反の対象となります。機能訓練指導員は、利用定員を問わず有資格者の配置が必須とされています。
利用定員が10名以上の場合の人員基準は、常勤の管理者が1名、生活相談員が1名以上、看護師が1名以上、介護士が1名以上、機能訓練指導員が1名以上です。生活相談員は社会福祉主事や社会福祉士といった有資格者を、一つの事業所に1人以上配置しなければなりません。

利用定員ごとに異なる

管理者・生活相談員

管理者と生活相談員は、デイサービスの利用定員を問わず配置が必須です。デイサービスを運営していくにあたり、欠かせない職種です。 管理者は、デイサービスで働く職員のシフトや稼働率の管理、一般的な業務の補助、備品や建物の管理など多岐にわたる役割を担います。介護職とともに利用者の介護を担うこともあるようです。デイサービスには管理者や生活相談員、機能訓練指導員などさまざまな職員が活躍しているため、異なる職種同士をまとめる統率力も必要です。幅広い業務を担う管理職は、マルチタスクをこなすスキルが求められるでしょう。
デイサービスでの生活相談員の役割は、利用者やそのご家族が抱える介護の悩みに応じ、専門的な立場から解決に導くことです。相談を受けたらケアマネジャーに連絡をし、事業所側で解決が難しい場合は医療機関や役所などと連携を図ることもあります。また、デイサービスの利用を希望する方に対する見学対応や説明、契約業務なども担います。介護保険制度の知識が求められる場面もあるため、最新の知識を常に把握しておくことが大切です。このほか、職場内の連絡調整も行います。管理者とはまた違う役割を担いますが、生活相談員も幅広い業務を任される職種といえます。

看護師

看護師は、デイサービスの利用定員が10名以下の場合は配置が必須ではありません。看護師か介護士のいずれか1名を配置すればよいとのことです。利用定員10名以上の場合は1名以上の配置が必須ですが、常勤である必要はないとのことです。
デイサービスでの看護師の役割は、利用者の健康状態のチェック、服薬管理、医療ケアなど。健康状態のチェックは、利用者がデイサービスに到着してから最初に行う仕事です。利用者の体調は毎日同じではないため、毎回必ず問題なくサービスが利用できるかをチェックする必要があります。利用者の服薬管理も、看護師の大切な役割です。昼食後の服薬を忘れないように管理をし、誤飲がないように介助も行います。
このほか、褥瘡処置やインシュリン注射など、介護士が担当できない業務を担います。サービスを提供している最中に利用者がケガなどをしないように万全の体制を取る必要がありますが、緊急時の応急処置や医療機関への連絡なども看護師の役割です。

まずはその目的を知っておこう

何のために行うのか

少子高齢化に伴うさまざまな課題が取りざたされる中、高齢者の心身の健康を維持改善するための介護予防や自立した生活を送るための日常生活機能の維持に役立つとして、機能訓練は注目を集めています。単純に動ける・動けないということだけではなく、どのように生きていきたいかというような目標を持って取り組まれています。

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